- MRI検査とは
- 当院のMRIについて
- MRI検査が診断に有効とされる疾患
- MRIとCTの違い
- MRI検査当日の流れ
- 当院はMRIによる即日検査、結果説明が可能です
- MRI検査が受けられない方・注意が必要な方
MRI検査とは
MRI検査では、強い磁石による磁気と弱い電磁波を使って体内の状態を詳細な画像として確認する検査です。脳、脊髄、血管、関節などを詳細に調べるために有用であり、放射線被曝の心配もない安全性の高い検査です。
ただし、検査中は大きな音が鳴り響く中で、検査台に横たわって動かないようにして頂く必要があります。痛みや不快感のある検査ではありませんので、安心して力を抜いて検査を受けてください。
当院のMRIについて
当院では、富士フイルムヘルスケア株式会社のAIRIS VentoというMRI検査機器を導入しています。この機器には脳神経外科領域を中心とした検査ができるプログラムが搭載されております。
また、ソフトウェア上で働くDeep Learningは、富士フイルムヘルスケア株式会社の提供する高度なAI技術により従来に比べてさらに高速になっており、自動化や高画質化も加わって検査時間の短縮も実現しています。
また、従来のMRI検査機器は狭い空間で動かずにいることで、閉所が苦手な方は鎮静剤を使用した検査が必要でしたが、当院に導入されているMRI検査器械は特殊な検査用コイルを使用することで閉塞感のない検査を実現しています。MRI検査に苦手意識のある方も安心してご相談ください。
なお、頭部だけでなく、頚部や脊髄をはじめ、身体の各部分や関節などの精密な検査も可能です。
早期アルツハイマー型認知症の発見に有効な「VSRAD」
VSRADは、アルツハイマー型認知症の進行度合いを調べる診断支援ソフトです。このソフトを使うことで、MRI検査で得たデータをもとに認知症の評価が可能になります。アルツハイマー型認知症の特徴的な所見には脳の海馬傍回(きゅうかい)付近の萎縮があります。ただし、海馬はかなり小さく、微細な変化を判断するのが困難なケースもあります。VSRADでは、画像データをAIで解析し、海馬傍回付近の萎縮程度を正確に評価できます。
以前は造影剤を使ったPETやSPECTによる診断や評価が行われていましたが、VSRADでは身体への負担となる造影剤を使用しない検査ができます。また、検査前の食事制限も必要なく、検査時間も大幅に短縮されています。
MRI検査が
診断に有効とされる疾患
検査する身体の部位 | 発見可能な疾患の代表例 |
---|---|
脳・頭部 | 脳腫瘍、脳動脈瘤、くも膜下出血、脳梗塞、もやもや病、一過性脳虚血発作、脳出血、脳動脈解離、脳動静脈奇形、頭部外傷、アルツハイマー病、片頭痛、髄膜炎、三叉神経痛、てんかん など |
脊椎・脊髄 | 頚・胸・腰部の脊椎・脊髄疾患(椎間板ヘルニア、頚椎症、脊柱管狭窄症、脊椎腫瘍) など |
四肢 | 骨肉腫、転移性骨腫瘍、腱板断裂(肩)、大腿骨頭壊死、前十字靭帯断裂、骨挫傷(膝) など |
肝臓・胆嚢・胆道・膵臓 | 肝臓がん、胆嚢がん、胆道がん、膵臓がん など |
子宮・卵巣 | 子宮筋腫、子宮がん、卵巣嚢胞、卵巣がん など |
前立腺 | 前立腺肥大、前立腺がん など |
MRIとCTの違い
頭部MRI検査
強い磁石による磁気と弱い電磁波を使って体内の状態を画像として得られる検査です。放射線被曝や痛みなどのない安全性の高い検査であり、当院に導入されたMRI検査機器は、閉塞性も大幅に解消されています。
ただし、検査中には大きな音が発生し、身動きせずに横たわったままの状態を保つ必要があります。
他の検査では精密な観察が困難な、脳、脊髄、血管、関節などを詳細に調べるために有効な検査です。
頭部CT検査
頭部にX線を照射し、得たデータをコンピューター処理して画像を得る検査です。X線発生装置が頭部の周囲を回り、全ての角度からの画像を撮影しています。輪切りになった断面画像を何枚も得ることができ、骨などの構造の観察に優れていることから骨折の有無や状態を調べるために使用されます。また検査時間が短いことから緊急性の高い脳挫傷や脳出血、脳梗塞などの診断にも役立っています。
ただし、コントラストが出にくく、構造の細部の評価が困難であり、放射線被曝の問題もあるなど、CT検査は有用なケースとお勧めできないケースがはっきり分かれます。
MRI検査当日の流れ
1受付
受付にお声がけ頂き、診察券や健康保険証を提出します。診察用問診票とMRI検査用問診票をお渡ししますので、ご記入ください。
2問診
問診で、症状や心配されていること、病歴、服用している薬などを丁寧に伺います。MRI検査は受けられないケースもありますので、安全に受けて頂くために事前の確認が必要となります。当院では、事前の注意事項などをしっかりお伝えし、患者様ご自身に確認頂いています。MRI検査には適さない心臓ペースメーカー、クリップやプレート、歯科インプラントなどの有無をチェックし、安全に検査を受けましょう。
3検査
検査着に着替えて頂いてから検査となります。頭部のMRI検査の所要時間は20分程度です。
4画像診断
検査が終了したら、担当技師が検査画像を確認し、脳神経外科専門医が丁寧に読影して診断しています。
5説明
専門医によるわかりやすい結果や診断の説明を行っています。その後、必要な治療についてもしっかり説明し、患者様と相談しながら治療方針を決めていきます。
当院はMRIによる
即日検査、結果説明が可能です
当院では、可能な限り当日にMRI検査を行い、結果説明できるようにしており、予約状況などによりますが当日の予約検査対応も可能です。ご希望の場合には、事前にお電話でお問い合わせください。
なお、初診の場合は、安全にMRI検査を受けられるかどうかを事前にご本人への確認を頂いています。MRI検査は、心臓ペースメーカーが埋め込まれている方や、手術で使用されたクリップやプレート・歯科インプラントなどのMRI検査に対応していない金属が埋め込まれているなどの場合には受けることができません。こうした内容を詳しく説明していますので、ご確認ください。その際にご不明な点がありましたら、些細なことでも気軽にご質問ください。
MRI検査が受けられない方
・注意が必要な方
- 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器、脳深部刺激装置、脊髄刺激装置、人工内耳、可動義眼などを使用されている場合には、MRI検査を受けられません。
- 手術で埋め込まれた脳動脈瘤クリップや人工関節、人工弁、骨固定用プレート、ステントなどがある場合には、手術を行った医療機関にMRI検査が可能かを確認する必要があります。また、3週間以内に受けた内視鏡手術などで使われた止血用クリップ、8週間以内に受けた血管ステント手術、義眼、義足、避妊リング、歯科インプラントなど、体内金属留置がある方は、治療を行った医療機関にMRI検査が可能かどうかを確認する必要があります。
- 人工透析のための可変式バルブシャント(脳室シャント、VPシャント、LPシャント)がある方、刺青や鍼灸の留置針のある方は、MRI検査が受けられない場合があります。
- 妊娠または妊娠している可能性がある方
注意点
その他、刺青・アートメイク・コンタクトレンズ・マスカラ・アイシャドウ・ネイル・磁石式義歯(インプラント)などもMRI検査が受けられない可能性があります。ご不明な場合にはお問い合わせください。
また、検査時に行うチェックでMRI検査可能な素材であることを確認できない金属が確認できた場合、検査の中止が必要になる場合もあります。
安全に検査を受けて頂くため、ご協力ください。